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静岡県人権啓発センター

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企業と人権

企業と人権

 企業も、社会との関わりの中にある「企業市民」であり、社会を構成する一員です。その関わりも、消費者、取引先、地域社会、そこで働く従業員など対象が幅広いというだけでなく、活動範囲も広範囲に及ぶため、影響力も大きく、その社会的責任も求められています。そこには、消費者や株主といった直接的な関係を持つ人々をはじめ、従業員、取引先や地域住民など多くの関係者に対し、公正な対応をすることなど誠実な企業経営の姿勢が求められています。

 食品表示の偽装やリコール隠し、不正会計処理など、不祥事の発生を受けて、コンプライアンス(法令遵守)やプライバシーポリシー(個人情報保護方針)等が注目され、企業においても、企業の社会的責任を果たしていくことを企業活動の中心にしていこうという考え方が広がっています。

 国内においても、企業の社会的責任を自覚し、環境や人権に配慮する企業を積極的に評価して投資する「社会的責任投資」(SRI)の関心が高まっており、こうした社会的責任に対する市民・従業員・投資家の関心の高まりを受け、平成16年(2004年)5月、社団法人日本経済団体連合会は、企業行動憲章を改定し、憲章本体の前文に「人権を尊重」することを明記するとともに、企業の社会的責任(CSR=Corporate Social Responsibility)を踏まえて憲章本体を修正しました。

 平成22年(2010年)11月には、国際標準化機構(ISO)が、組織の社会的責任に関してISO26000(1)としてガイドライン規格を発行し、この中で組織の社会的責任の中核課題の一つとして人権を明記しました。ISO26000の内容をそのままにJIS化が進められ、平成24年(2012)年3月21日にJIS Z 26000として公表されました。

 また、企業においては、公平な採用、男女間の昇進や賃金格差の問題、セキュシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメント(2)等への対応が求められています。

 今後も、企業の社会的責任に対する関心は高まっていくものと思われます。職場のセクシュアル・ハラスメンやパワー・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント、さらには差別的な人事管理などが行われないよう企業等における人権啓発や人権に配慮した企業活動など、人権が尊重される社会に実現に向けた自主的な取組が期待されます。

用語の解説

(1)ISO26000
 企業に限らず組織の「社会的責任(Social Responsibility)」に関する第三者認証を目的としない国際ガイダンス規格。2010年(平成22年)11月に成立。組織の社会的責任の中核課題として、組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティ参画及び開発が示され、社会責任の原則については、説明責任、透明性、倫理的な行動、ステークホルダーの利害の尊重、法の支配の尊重、国際行動規範の尊重、人権の尊重が示されています。。

2)パワー・ハラスメント
 同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・肉体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為のこと。
【行為類型(典型的なものであり、すべてを網羅するものではないことに留意)】
@暴行・傷害(身体的な攻撃)
A脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
B隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
C業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
D業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
E私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
@については、業務の遂行に関係するものであっても、「業務の適正な範囲」に含まれるとすることはできない。
AとBについては、業務の遂行に必要な行為であると通常想定できないことから、原則として「業務の適正な範囲」を超えるものと考えられる。
CからEまでについては、業務上の適正な指導と線引きが必ずしも容易でない場合があると考えられる。こうした行為について何が「業務の適正な範囲を超える」かについては、業種や企業文化の影響を受け、また、具体的な判断については、行為が行われた状況や行為が継続的であるかどうかによっても左右される部分もあると考えられるため、各企業・職場で認識をそろえ、その範囲を明確にする取組を行うことが望ましい。
(厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」(平成24年1月30日提言))

 
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