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静岡県人権啓発センター

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人権問題啓発指導者養成講座(実践コース)

人権問題啓発指導者養成講座(実践コース)を開催しました。

 人権・同和問題に対して正しい理解と認識を深めることにより、地域・職場におけるリーダーとなる人材を養成することを目的として、7月31日(月)に、静岡県総合社会福祉会館を会場として人権問題啓発指導者養成講座(実践コース)を開催しました。当日は基礎コースを受講した方々を中心に100人あまりの方が参加して、3人の講師による講演を聴講していただきました。

 あいさつ

 角替弘志(つのがえひろし)静岡県人権啓発センター長からの受講挨拶の後、橋本裕子(はしもとひろこ)氏、長谷川知子(はせがわともこ)氏、伊藤弘(いとうひろし)氏による講演がありました。

 橋本講師…「男女共同参画と人権」

 男女共同参画に至るまでというのは、女子差別の撤廃という流れを汲むものです。明治の頃は、女性は無能力者と規定されていたため、財産管理や、結婚決定権等がない時代でした。

 戦後の日本国憲法では男女平等、特に家庭内での男女の平等を定めましたが、男性、特に社会的地位の高い男性ほど、この意識を受け入れることに抵抗があったようで、民法における夫婦同姓などにみられるように、家制度の意識が相変わらず残っているなど、簡単には変わりませんでした。

 男女の関係が改善されるきっかけとなったのが、昭和60年に女子差別撤廃条約を日本が批准したことです。このころは「男は仕事、女は家庭」の考え方が強かったのですが、男女雇用機会均等法、育児休業法から、育児・介護休業法、さらに改正男女雇用機会均等法などの法律によりあらゆるステージにおける機会の均等を求められるようになったのです。

 こうして男女共同参画が進んできたわけですが、それ以前の問題として、セクシュアル・ハラスメントやドメスティック・バイオレンスなどが頻繁に起こっています。相手が嫌がることは基本的に許されない、そして、これこそ人権感覚が求められるのではないかと思います。

 団塊の世代が一斉に退職を迎える時期になってきましたが、その中で、現在の問題となっているのが、社会的成功を修めた人ほど家庭に戻れない人が多いということです。これから楽しい老後を過ごすためにも家庭の中での生活を充実させることが大切です。

長谷川講師…「障害や難病を持つ人を人権侵害から守るための方法を考える」

  人権というのは失ったときにはじめてわかるものなのでしょうか、 他人の人権には気付きにくいようです。人権という言葉は、最初、 白人の男性のために作られたようで、欧米以外のどこの国の人にもこなれの悪い言葉のようですが、白人男性だけの特権にしておくのはくやしいですね。

  障害や難病をもっていても人権は共通です。それに障害者と健常者を分離する境目はありません。いま健常でも障害をもつ可能性は常にあります。また同じ状態でも、困らなくなれば「障害」でなく「特性」になりましょう。障害の中には遺伝子の異常や染色体異常によるものがありますが、これは親のせいでなく、人間であれば誰にでも起こりうることなのです。ですから障害や難病をもった人達の人権を守るには、他人事として見ることから、自分だったらどうしてほしいだろうかと考え、話し合うことです。そうすれば自ずから見えてくると思います。

 優しさは人として大事なことですが、優しさだけで人権を守ることはできません。人のためと思ってやっていても、人の為と書いて偽と読むように、本当はその人のためになっていないことがあります。それを専門職や行政職、政治家がするとパターナリズムといって善意の押し付けになるのです。これを防ぐには、自分で考え、自分の意思で「ノー」も言えるような支援が必要です。「ノー」を上手に(的確にさりげなく、きっぱりと)言えるようになったとき、人は大人になるのかもしれません。

 伊藤講師…「静岡県における同和問題の特質」

 全国的に見れば、同和問題解消のための事業の推進にはしばしば大きな混乱や困難がともないましたが、静岡県では非常に静かに順調に進められてきました。このことは他県と比較して特異な例であると思います。その理由は、当会及び前身の当事者団体が「差別は見逃さないが徹底的な糾弾は行わない」という基本方針を堅持したこと、また、行政との円滑な連携によるところが大きかったと思います。

 この結果、「同和こわい論」や「逆差別論」などのいわゆる同和アレルギーの発生を最小限に抑えられることができたと思いますが、半面、県民に同和問題を真剣に考えてもらうという点から見ればマイナスとなり、県の調査によると依然として差別意識が解消されていないという課題が明確になっていますし、私の周辺でも差別意識に捉われた人が未だに散在していることを実感しています。

 これを解消していくには、教育・啓発しかありません。特に、人生の早い時機に人権教育というワクチンを施してしておくことが肝心です。ゆがんだ情報はなかなか矯正できないからです。その意味で義務教育における人権・同和教育が大切だと思います。

 最後に人権擁護法案についてです。差別問題を解決する一番の方法は当事者同士の和解であり、そのためにはしっかりした人権救済機関がないと、双方の感情ばかりが対立して誤解が解けません。誤解があるままでは人権に関する争いと、その後遺症はなくならないと思います。早期に法案を可決し、差別のない社会をつくるための基礎的条件を整えてほしいと思います。

 今回は実践コースということで、様々な人権問題についてその実態を知っていただくことを中心とした内容としました。今年度基礎コースと実践コースの両方を受講された方には、講座終了後、修了証をお渡ししました。

 基礎コースへ 

  この催事は毎年実施しております。今回参加できなかった方で興味のある方は、来年度以降、ぜひ受講してみてください。

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